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おっつけ舞

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大黒舞の後はおっつけ舞でにぎやかに

おっつけ舞は俗謡に分類される庶民の歌だ。俗謡とは民謡から発生し、地方で市井の人たちに歌われていた歌である。民謡がその土地に密着し同じ歌詞で伝えられるのにたいし、俗謡は歌詞を変え地域を越え流行してきた。 俗謡にはもともと風刺や、猥雑なコミカルなものも多かった。民謡であっても、本歌は変えないまでも、歌詞その物はどんどん新しいものが作られる例も多い。
そうした俗謡、花街から発生したのが「すりこぎ舞」だ。すりこぎ舞は、股間に「すりこぎ」挟んで男根に見立て、男女のまぐわいをおもしろおかしく歌い舞う酒宴の余興だ。 秋田県や青森津軽地方にも同じような踊りがあり「こっから舞い」と称している。一見卑猥に見える踊りではあるがその背景には素朴な信仰心がある。おっつけ舞もすりこぎ舞と同様の意味合いを持つ余興の踊りで、正しい型や歌詞はアウトラインが存在するだけで、踊り手は自由に歌い踊る。宮古地方では大黒舞が最初に唄い踊られて、続いてこのおっつけ舞が踊られた。エロティックな歌詞に合わせて、踊りもそのように踊られるものだ。

おっつけ舞とすりこぎ舞

台所で使うスリコギを男根に例え独特の腰使いでユーモラスかつ、エロチックにおどるのが「おっつけ舞」だ。おっけ舞の歌詞は「好きなおなごの鼻(はーな)こば、俺が鼻こさおっつけで、嫌なオナゴの鼻こば、石崎鼻さおっつけろ~好きなおなごの尻(すーり)こば、俺が尻こさおっつけで、嫌なおなごの尻こば、由ケ尻さおっつけろ」という具合で、体の部分を好きな女の体と密着させる歌詞が続く。
歌い出しと曲調はほとんど大黒舞そのもので、大黒舞が終わった続きに「さあて、おっつけ舞でも囃子ましょう…」と相いの手が入り大黒舞からおっつけ舞に切り替えられる。
おっつけ舞に対して混同されるのが、やはりスリコギを持って舞う「すりこぎ舞」だ。こちらは別名「かまどけぇす」と呼ばれ鍬ヶ崎芸妓たちがお座敷芸としたもので、着物をたくしあげた芸者が深めのザルをかぶりスリコキを男根に見立てて舞う。エロチックな腰使いと手つきはおっつけ舞のように一気に宴会の座が盛り上がるにぎやかな芸だが歌詞や曲調は別物で、おっつけ舞がお客がやる素人芸なのに対してすりこぎ舞は芸者が舞う玄人芸であった。歌詞は「はーとさっさっさっさ(※くりかえし)今回はやらずと、ただ抱きしめる(※)坊主がいやなら裸にしてやれ(※)」というようなもので、はげしく腰を振り、男根に見立てたスリコギをお客の顔近くまで寄せたり、性行為を思わせる素振りで笑いを誘った。別名の「かまどけぇす」についてはそのように性器を自慢して女郎屋通いをしていてはいくら金持ちでも破産するという戒めもあったらしい。
男性性器は縄文の昔から力と豊じょうを意味するシンボルで崎山貝塚から出土した石棒、鍬ヶ崎日影町の金勢社の男根を型どった御神体なども、おっつけ舞やすりこぎ舞に通じるものがある。

  • おっつけ舞

ハアーハ、ハーハ、ハアーアハ、ハーハ
コラ、好きな女子の額コば 俺が額さ、押っつけて
コラ、嫌な女子の額コば 釜蓋(ぶだぇー)さ、押っつけろ
トワ、オッツケ舞(まえー)でも、みいさいナー

コラ、好きな女子の鼻(はなあ)コば 俺が鼻(はな)コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の鼻コば 石崎鼻さ 押っつけろ
コラ、好きな女子の口(くづ)コば 俺が口コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の口コば スルメの口さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の胸コば 俺が胸コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の胸コば 鳩(はあど)の胸さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の腹コば 俺が腹コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の腹コば 野原さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の尻(けっつ)コば 俺が尻コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の尻コば バケツさ、押っつけろ
コラ、好きな女子の尻(すーり)コば 俺が尻コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の尻コば 葦が尻さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の股コば 俺が股コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の股コば 木の又さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の脛(すーね)コば 俺が脛コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の脛コば 唐臼(きねうす)さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の足コば 俺が足コさ、押っつけて
コラ、嫌な女子の足コば お膳の足さ、押っつけろ
コラ、好きな女子の踵(あーぐど)は 俺が踵さ、押っつけて
コラ、嫌な女子の踵は ヤーグドさ、押っつけろ
トワ、オッツケ舞でも、みいさいナー
アー、コラサッサー、コラサッサー
コラサッサー、コラサッサー

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