牧庵鞭牛和尚の遺したもの
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牧庵鞭牛は、今から約300年ほど前に宮古市和井内に生まれ、閉伊街道(現在の国道106号)などの道づくりに尽くした江戸時代のお坊さんである。
鞭牛は生涯で数多くの難所を開削したが、鞭牛にまつわるもので現存するものは多くはない。
その1つに、鞭牛の生家に伝わった『牧庵鞭牛道路開削工具』がある。道路づくりに使ったと思われる「げんのう」や、「つるはし」、「金てこ」などが今もその形を残している。とくにも「げんのう」は、使い込まれたためか過度が取れ丸くなり、当時の道づくりの大変さを現在に伝えている。
また、『大般若経』も生家に伝えられた。これは大変長い大般若経というお経の一部だが、鞭牛が供養を行うため携帯したものと考えられている。
『湯本開山牌』は現在も「安庭の湯」として親しまれている鉱泉を守ってきた湯守りの家に代々伝えられた。
鞭牛自身に関する遺品は少ないのだが、鞭牛が遺した最も大きなものは、人々のために道づくりを行ったその精神と、そして何よりも今でも私たちの生活に欠かせない「道」なのではないだろうか。
出典:広報みやこ「新ふるさと博物館」
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