平片の滝(和井内)
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鞭牛が妖怪を調伏した伝説が残る和井内の里滝
新里村和井内平片地区を流れる刈屋川支流・平片沢にあるのがこの滝。滝は高さ10m幅15mほどで3本に分裂して滝壺へ落ち込んでいる。この滝は宝暦10年(1760)、生まれ故郷に帰った牧庵鞭牛が、女にいたずらするというこの滝に住む妖怪に困っていた村人のため七日七夜の祈祷を行ったとされる。伝説によると七日目の夜、妖怪は大雨洪水となって鞭牛を襲ったが亀岳(亀ヶ森)大明神が大亀に化身して鞭牛に加勢し妖怪を調伏したという。
水源は1200mの峠ノ神山から流れる沢で水量は豊富。また滝は車を止めて道路から確認でき、道端には鞭牛が建立したという不動明王の祠がある。
鞭牛と滝信仰
布引観音白糸の滝(北川目)平片の滝(和井内)
宝永7年(1710)に和井内に生まれ延享4年(1747)に橋野村林宗寺の六世となり宝暦5年隠居後の生涯、約30年間を道路開発に捧げた鞭牛は、国道106号線である閉伊街道や浜街道の難所開削を手がけている。
鞭牛は林宗寺六世として船越の大網の窟、豊間根の穴乳窟、南川目の十三仏、北川目の布引観音、安庭の鉱泉などを霊場や行場として開山している。これらは当時の仏教は修験的色合いも濃かったため、鞭牛が特殊な地形をした特異な場所に神仏を祀ったことによる。その中には滝もあり北川目の布引観音白糸滝、和井内の平片の滝などがある。平片の滝には村の女を襲う魔物を調伏するため鞭牛が祈祷し法力でねじ伏せた伝説が残されている。また、鞭牛の建立と伝えられる不動明王の祠がある。
- 宮古市新里地区和井内・刈屋川支流