十二神山
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石になったイタコと十二神山伝説
重茂半島の南部に連なる十二神山(標高731mm)はその名が示すように薬師如来を守護する十二神将に由来した山であり、山岳修験の行場として古くから女人禁制の山だったという。山に祀られた神社の縁日には、男たちが朝早く起きて、女には一切手を触れさせずに赤飯のむすびやお散供(さんごう)など神様に供えるものを作って、暗いうちに松明かしをつけて草鞋ばきで十二神山に登ってお参りしたという。
そんな縁日のある日、あるイタコが「私は女でも神を拝むイタコだから」といって、人の止めるのも聞き入れず十二神山に登っていった。ところが途中まで行ったところで、十二神の怒りに触れ女は石にされてしまったという。その石は今も残っているとされ、豊間根の麓から登る細い山道にその道を塞ぐような格好で鎮座し、よく見ると女の人が坐っているような形に見えるという。これと同様の逸話は宮古の黒森山(黒森神社)にもあり、両山とも修験の山で女人禁制だった歴史がある。また、女人を近づけない理由として賭博などが開かれていた可能性も考えられる。
また、十二神山頂上には沼があり、八郎太郎という大きな主が棲んでおりその八郎太郎は空を飛んで秋田県の八郎潟に引っ越していって八郎潟の主になったという伝説もある。現在の十二神山は航空自衛隊レーダー基地があり一般の立ち入りはできない。