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若水汲み

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元旦の朝は若水を汲む

現在のように水道設備が普及する前は、飲料水から生活水に至るまで井戸水に頼っていた。しかし各家に井戸があるわけではなく、ひとつの井戸を共同で使ったり、個人持ちの井戸から水を貰ったりしていた。井戸には水神が祀られており、年末には竹と切り紙による御幣のお飾りを供えた。若水は元旦である年の初めに、生活の要でもある水を最初に汲む神事で、今年一年間水に恵まれるよう願いが込められている。若水を汲んでくる者はその家の家長または長男、年男とされ多くは朝日が昇ったのち、新しく若水用にあつらえた手桶と柄杓で汲むことになっていた。汲むと言っても桶にたぷっり汲むわけではなく、柄杓で1~3杯ぐらいの量であり、元旦、2日、3日によりその量も決められていた。
汲んできた若水はまず家の神棚に供え拝む。のちにその水を使って炊飯したり、雑煮を作る習わしになっていた。順序や習わしは各地によって若干違うが水に感謝し水を敬う心は同じである。

津軽石地区では手桶に年縄を張り、柄杓に少量の米を入れて川に行き、米をまいて柄杓で三度汲み、神棚に供えてから雑煮に用いた。山口地区では弊束と煮干、昆布を下げた年縄を手桶にまわして若水を汲んだ。このほか3日、5日、7日、小正月の18、20日、2月1日、3日にも若水汲みをした。

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