神楽・七つ物・さんさ踊・虎舞
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陸中海岸の集落を訪れる黒森神楽の巡業は毎年行われ、各地で除災招福のご利益を授けるとともに、力強くも華麗な舞で人々を魅了している。神楽が冬に行われるのは、旧年の災厄を祓い清め、農漁家や家・人々に新しい活力や生命力を与えるためである。末前地区の熊野神社の権現様を奉じる末前神楽は、昔から黒森神社の優秀な舞手や胴取を輩出し、黒森神楽の中核をなす存在である。
七つ物は、神楽宿への舞込みや神社の祭礼で御輿の先払いをする舞など、神楽の舞が独立し展開したと考えられる。七種類の採り物(道具)を持つことから七つ物(七つ舞)と言われ、災厄を祓い清めて五穀豊穣・大漁成就などの祝福を込める舞である。
さんさ踊は、岩手県(旧南部領)に伝わる盆踊で、死者や祖先の供養と家内安全・五穀豊穣などを祈る。盛岡のパレードが知られているが、本来は輪踊りで、勇壮な太鼓と回転を伴うしなやかな踊りが美しく魅力的である。
虎舞は、和藤内という若者(少年)が、天照大神の礼を掲げて虎を退治するという物語で、「虎は千里往って千里帰る」という諺から漁業者に信仰され、軽快な太鼓の拍子と虎の激しい勢いが見事である。
出典:広報みやこ「新ふるさと博物館」