悲恋のアイヌ伝説が残る。弁天崎・矢越岬(田野畑村)
田野畑村の机浜をはさんで南側に位置するのが弁天崎。岬には弁天崎灯台がある。先端の弁天島には弁財天が祀られ、この岬と机浜漁港をはさんで対岸の岬が矢越岬だ。矢越岬には悲恋の伝説が残る。その昔、二人の若者が村一番の美女、酋長の娘に恋をした。若者は矢で岬の穴を通す通し矢に恋をかける約束をする。最初の若者の矢は唸りを立てて、見事に穴を通り抜けたが、後の若者の矢は岬手前の海に落ち沈んだ。恋に破れた若者は悲痛な声とともに、矢のあとを追って海底深く消え去った。それからこの岬は、矢が越えたことから「矢越岬」と呼ばれるようになった。