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東北電力腹帯発電所

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発電所といえば大きな施設を想像しがちだが、我々の住む地域の発電所といえば、川井村、宮古市にまたがる閉伊川の中流付近に設置されている腹帯発電所が思い浮かぶ。国道106号が新しくなってから車窓からその施設を見ることが出来なくなったが、旧国道沿いを走ると、その施設は今なお健在である。
東北電力腹帯発電所の着工は昭和12(1937)年で、完成したのは14年2月。東北地方の産業の振興を目的に建設された施設である。建設当時は宮古、釜石地区に66キロボルトを送電し、現在は巨大なランナーと呼ばれる水車2機が設置され、常時4千2百キロワット、最大出力1万1100キロワットで宮古変電所を経て沿岸地区と新里、川井村にも電気を送っている。
この施設のシステムは水力発電で、川井村の堰堤の取水口から、腹帯の大沢ダムまでの約9キロの導水路が繋がっている。ほとんどが水を通すトンネルの隧道(ずいどう)で掘られていて、またダムから発電所までの落差90・8メートルの工事は悪条件を極め、難航し幾多の尊い命が失われたという。発電所の一画にはその慰霊碑が建立されている。 また昭和23(1948)年のアイオン台風では壊滅的な被害を受けている。発電設備は全滅状態になり、復旧には約3ヵ月もの時間が費やされている。その後、洪水対策など各種改良がなされ、時代とともに道路網の整備や、遠方制御技術の進歩によって、昭和50(1975)年から同施設は無人化された。現在は東北電力宮古技術センター制御所が監視制御を行っている。
発電所の存在は当時の地域の人々の誇りでもあった。発電所近隣の茂市中学校歌に「閉伊川の電源響き~」の歌詞があり、今でも歌い継がれている。

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地図

https://goo.gl/maps/XDFBW

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