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押角駅

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かつてのスイッチバック駅、押角駅

道路、鉄路のトンネル工事で集落が形成された押角駅は押角峠頂上に近い山間にある小駅だ。山深い谷底にポツンと設けられた板張りのプラットホームだけの駅で、周辺には民家はもちろん観光名所などはない。誰も下りそうもないところにある、まさしく秘境駅なのだ。
しかしこの駅は、かつて加速線を備えた堂々たるZ型スイッチバックの駅だったのだ。現在その面影は鬱蒼とした樹木の中に消え去っているが、C58型蒸気機関車が長大な貨車を牽引して発車してゆく光景が見られた事は想像に難くない。
押角暫定開業の時代、押角のその先には急峻な押角峠が立ちはだかっていた。まだ路線が延伸していない時、耐火粘土は小川~浅内間は索道、浅内~押角間の峠越えルートはトラックで運ばれたという。その「小本線」が時代の要請する「準軍事輸送路」として機能するためには、押角峠を貫く押角トンネルの貫通は悲願だった。しかし押角トンネルに最初の列車が走るのは、戦後の昭和22年12月。結局戦争中には間に合わなかった。

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地図

https://goo.gl/maps/2oFdg

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