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役の行者・二鬼像と大日如来像

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 腹帯の佐々木家は、祖先が忠善院という修行者で、蔵には修験道で深くかかわる大日如来像(だいにちにょらいぞう)と役の行者像(えんのぎょうじゃぞう)などが伝えられている。

 大日如来は、全てを照らし生み出す太陽のように宇宙の中心として、密教や修験道で崇拝される物尊で、2体の大日如来像は、宝冠をかぶり、手は印を結んで蓮華座に座っている。金剛界大日如来と胎蔵界大日如来の2体と修験道の守尊である不動明王が存在する。大日如来像2体は、愛宕小学校付近にあった石勝寺(真言宗)から伝わったと言われている。

 役の行者(役小角)は、葛城山(大阪府・奈良県)に住んで修行によって得た験力(呪術)を用いて、鬼神を使役し操ることができたとされている(『続日本記』)。この像は、前鬼・後鬼を従えて岩座に腰掛け、袈裟の上に木葉衣を着て、右手に錫杖を持っている。頭巾をかぶり、ひげを蓄えた老僧の顔は、温和な中にも厳しさをうかがうことができる。この役の行者像は、腹帯の他家の修験者から伝えられたものと言われている。

 近世(江戸時代)まで閉伊地方は、多くの修験者(山伏)が、除災招福の加持祈祷や地域の祭り、神楽などの芸能に活躍していた。かつての民間信仰を支えた修験者の存在がしのばれる。

出典:広報みやこ「新ふるさと博物館」

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