峠の神山
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かつての御山掛けの名山
亀ケ森の北方に聳える1229mの山で、新里村、岩泉町の境にある。その昔、下閉伊郡に三つの明神を駆ける「三山めぐり」の成人儀式があった。これを「お山かけ」と呼び、峠ノ明神、堺ノ明神、兜ノ明神の三山参りをしたという。
峠の神山山頂へは、比較的楽に登ることができる。亀ケ森、新里村をつなぐ林道脇から登山道があり、そこから山頂までは1200mあまりの距離。なだらかな斜面を自然を楽しみながら登ることができ、約30分ほどで到着する。途中にはロボット雨量計や湧水を利用した水飲み場もある。
山頂には小さな鳥居と石造の明神碑があり、目を回りに移せば遠くに早池峰山、月山、十二神山、さらに太平洋と大パノラマの景色が展望できる。
山頂から北東側に下った山腹には義経一行が割ったと伝えられる謎の女陰石がある。これは対岸の亀ヶ森に対しての女神信仰と、山火事などの火を調伏するため火が嫌う経血を意味する女陰の象徴を祀ったある種の封印であり山岳修験の流れから祀られたものと考えられる。