岬信仰
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海上からの目印に社を祀った。岬信仰
漁船が風に頼って航行していた時代は沖合に出る距離も限られていた。そんな時代、漁師たちは沖合から陸地を見て己の位置を確認しながら漁をしていた。その際の目印になったのが岬であり、岬や目印の山が視界から消える付近より沖合を他界としていた。他界とはあの世でありそれ以上陸地を離れることは死を意味した。板子一枚下は地獄…。の例えの如く古来より漁師たちは危険と隣り合わせで魚を捕るのが生業であった。胴の間に魚を満載するほど大漁しても一寸先は闇、風を読めなければ帰港はおろか身の安全さえも危ぶまれるのであった。そんな沖合での漁を終え帰港する時、母港の見慣れた岬を目指し、その入り江に入ることは何よりの安堵であった。そのような経緯から岬そのものが信仰対象となり後に何らかの信仰媒体を祀るようになって神社などへと信仰が展開してゆく。これらの神社は土地によって様々な名前になっているがどれも大漁と海上安全を約束する神社だ。