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岩戸開

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宇受売は何故に四方の神を喜ばしおるや

黒森神楽の演目のひとつ。日本神話で語られる太陽神・天照大御神が隠れた岩戸を開き、この世に新しい朝を迎える「天の岩戸」を神楽で演じる。ますは四方の神々とされる、天手力男命(アマノタヂカラオノミコト)、天児屋根命(アマノコヤネノミコト)、布刀玉命(フトタマノミコト)、天宇受売命(アマノウズメノミコト)が幕の前に立ち天照大御神の岩戸を開く相談をする場面を表現する。後に男神三神は各左右の袖へ下がり、中央で天宇受売命が両手に笹の束を持って舞う。この舞は神社の湯立て託宣の時に神子が舞う「神子舞」だ。天照大御神は幕の裏に立ち、幕前の賑やかさに「宇受売(ウズメ)は何故に四方の神を喜ばせるのかや?」と問い岩戸が少し開く。ここで天手力男命が天の岩戸を引き開け天照大御神が光臨し神々は御祝(ごいわい)をあげる。
黒森神社の岩戸開きは天宇受売命の神子舞による前述の「新開き」と、三番叟(さんばそう)が両手に錫杖を持って激しく舞う三番御神楽の「旧開き」がある。旧開きの場合は天の岩戸を開こうと春日大明神と八幡大神が御神楽を舞うが、大神宮は出てこない。そこで三番叟の登場となり、天の岩戸が開き祝詞で神楽の由来が語られる展開だ。 通常黒森神楽では岩戸開きは「新開き」を演ずるが、同じ宿に二泊した場合や、前回の巡行で「新開き」を演じていれば次回は「旧開き」というふうに演じ分けている。また、神楽舞台に張られた幕は北廻りなら北の村々から奉納されたものを、南廻りなら南からの奉納幕を使う。なお、染め抜かれた柄は伊勢の二見ヶ浦の夫婦岩から昇る朝日であり、天照大御神光臨の朝を象徴している。

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