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山の神舞

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激しく飛び跳ねる祈祷の舞い

黒森神楽の演目のひとつ。山の神は赤い憤怒の女神でその表情は出産の苦しみを表すとも言われ、黒森神楽の中で最も重要な位置にある祈祷の舞とされる。
山の神舞は最初に、山の神が幕の上に扇をかざして「えいやー山の神」と声が掛かり胴取りがそれを受けて「育ちはいずこ、奥山で、外山がさきの榊葉のもと」と山の神の本地を語ると幕の後ろで「楽足(がくあし)」と称する激しい足踏みが続き、何度か幕を引き上げてからやっと登場する。その出で立ちは真っ赤な憤怒の面に鳥兜、太刀に扇子を持ち、抜刀しながら激しい動作で四方を固めて舞う。山の神は山仕事や農耕に通じることはもちろん、船が山の木で造船され、漁場や航海が山を目印にされることから漁業者の信仰も厚い。
演目後半では一度幕入りしてから面を外して扇子と錫杖で登場し跳びはねながら乱舞する。山の神は女神(おんながみ)であり、赤い顔はお産で苦しむ表情とも言われる。また装束の黒い背負い帯は子供を背負う表現だとも言われ安産の神として妊婦の着物を着て舞ってもらうなど女性の信仰も厚い。

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