四十八釜(片巣)
提供:ミヤペディア
閉伊川の激流が作った甌穴四十八釜(片巣)
閉伊川が大きく迂回する片巣集落には四十八釜という淵がある。このあたりには川底の窪みに石が入り、急流のため回転しながら川底の岩盤に穴を空ける甌穴(かめあな・ポットホール)がある。古来より一帯にはそんな甌穴がたくさんあったので四十八釜と呼ばれ、日照りが続いても穴の水が蒸発しないことから水神を勧請しての雨乞い神事をする場所となっていた。昔、日照りが続くと川井や箱石から人が集まり甌穴から水を汲み上げ、空になった一番大きな穴に生卵を投げ入れ龍神に雨乞いをしたと伝えられる。この甕穴はどんな洪水でも埋まらないとされたが、昭和56年の台風で閉伊川は記録的増水となり多くの甕穴は埋まってしまったという。また、雨乞い神事のための社は昭和初期、近くを山田線が通ることになり山手へ遷宮し、近年は平成になり同地区内の別当宅へ移転した。
現地は何層も重なったが岩盤が縦に露出しており現在も数個の甕穴がある。これらは長い年月を経て川底が削られ次第に露出するもので一定の条件が揃わないと発生しない。また、周辺は龍神にあやかってか蛇が多い場所でもある。
甕穴はポットホール。長い時間をかけて岩が川底の岩盤を削った穴だ