ヤラメスゲ
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太平洋沿岸で初めてヤラメスゲを発見
北海道や東北地方の高層湿地に生息する植物。ヤラメスゲはカヤツリグサ科スゲ属。小穂が長い柄で垂れ下がる形が特徴で、小穂の下部分が雌花でその先端に雄花がある。高さは70~80センチほどで、北海道では潮の混じる湿地、秋田県や北陸地方では高層湿地に生育しているという。秋田県では絶滅危惧種の1類に入っている。岩手県ではスゲ類は110種類確認されているが、ヤラメスゲについては詳しい事はわかっていない。
絶滅危惧種ヤラメスゲ・山田町で発見
ヤラメスゲが平成20年5月、太平洋沿岸では初めて山田町船越の海岸で発見された。秋田県では絶滅危惧種のひとつでもあり、自然環境指標にも重要な植物とされている。ヤラメスゲは海水の影響を受けて水辺にも生育するが、岩手県内ではこれまで八幡平で確認されているほか、五葉山でも生育の記録がある。北方系の植物でこの発見によって、海岸部は船越海岸が南限とされる。発見したのは釜石植物の会会長の鈴木弘文さん(63)。岩手県沿岸部の植物調査を行っていた際、偶然に発見した。生育地は海岸に流れ込む小さな沢のある約30平方メートルにも満たない広さの砂地。周辺は防波堤等の海岸工事が進められ、砂浜も工事によって押しあげられており、人工的に自然環境が変化しているため、ほとんどの人はこれらの植物に気づくこともない。ヤラメスゲに関しては専門の研究者もいないためどうして船越海岸に生息していたのかも不明だ。