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ナモミ

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小正月の一月十五日の夜、ナモミあるいはナゴミと呼ばれる異形の鬼たちがどこからともなくやってきて、各家を回って暴れる。ナモミは、山の神などの恐ろしい面に、みの藁をまとっており、土足で上がり込んできて家の子供たちを怖がらせた。この異形の来訪者に、家の者は「この家にはナモミに連れていかれるような悪い子はいない」と懇願し、御神酒を振る舞う。ナモミは地区の青年団などが扮装しており、異形の鬼に見えるが実は春に訪れる福の神であるとされる。 テンプレート:しるしる

正月にやってくる豊穣と戒めの来訪神

1月15日の夜「ナモミ」あるいは「ナゴミ」と呼ばれる異装の者が、どこからともなくやってくる。「ナモミ」は蓑を着て空の米俵を背負い、手には青竹や出刃包丁を持ち、地区の神社などにある神楽面や鬼の面をつけて、奇声を上げながら無礼講に家に上がり込んでくる。上がり込む際に家の前で外から壁や窓を竹棒などで乱打する。そして突然土足で家に上がり込みを「泣くワラスはインネェーガー、ユウゴドをキカネェーワラスはインネェガ」と奇声をあげて子どもたちを怖がらせる。家のものたちは、自分の家には「ナモミ」に連れていかれるような悪い子はいないと告げ、餅や米、あるいは金を渡したり酒を振る舞ったりして帰す。ナモミが家で暴れた際、落としていったワラや土は縁起物とされ、神棚に供える。
「ナモミ」の起源は正月中ご馳走や酒ばかり飲んで本来の姿を忘れてしまった人々を戒めるために起こったもので、秋田の「ナマハゲ」気仙の「スネカ」北陸の「アマメハギ」も同様の意味を持っている。「ナモミ」たちが持っている包丁は炬燵や火にあたってばかりで火班の出た脚の(スネ)の皮を剥ぐためで、怠け者を懲らしめる象徴でもある。

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