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タイマグラ~薬師川源流部の滝(川井)

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無数の滝と奥深い自然に阻まれた秘境

 早池峰山の対岸に聳える薬師岳(1644・9m)を源流として小田越御坂と平行しタイマグラを経て江繋で小国川と合流する薬師川は標高差のある山岳地帯を流れる谷川で豊富な渓相を持っている。そんな薬師川には幾つもの滝がありそれらを探しながら散策するのもいいだろう。まず、近年開通したタイマグラ~横沢へ向かう林道に架かる高桧橋周辺に1・5メートルほどの滝が連続する親子孫滝、小田越御坂、砂場沢の十二鏡の滝、薬師川源流に注ぐ舟石沢の舟石滝(別名・権現滝)、県道脇を流れる薬師の滝などがある。これらは25000/1地図には掲載されておらず地元の情報が重要なヒントになる。

●滝薬師の滝

薬師川源流部の薬師沢から横通りの籠堂を経て県道脇に流れる滝。大きな花崗岩の表面を流れるように落水する。滝は道路下のパイプを経て下部へ落水している。車の窓からも確認できるお手軽の滝。到達難易度は★。
早池峰山の薬師の滝.jpg
岩盤を滑るように流れ林道下へ流れ落ちる

地図

●権現滝発見出来ず

薬師川源流部の舟石沢にある滝。舟石滝とも権現滝とも呼ばれる。この滝はその昔、日照りが続くと小国村法印であり早池峰登拝江繋坂先達の山伏・善行院が雨乞いの儀式を行った滝とされる。雨乞いは祈祷の後、権現様(獅子頭)を滝壺に投げ込むと権現様の口と鼻から霧が吹き出しにわかに空に雲が立ちこめたという。資料によると滝は班糲岩(はんれいがん)地帯の一枚岩で長さ10メートル、幅約5メートルほどの岩を水が一面に広がりながら落水し落差は2メートルほど。旧登山道から二本木鼻を経てやぶこぎをして到達するが確かな道はない。写真は『川井村北上山地民俗資料誌』より転載した。滝は地図に掲載されていないため闇雲に林道を上り下りするのではなく薬師川源流を直接上流に向かって遡ることにした。通行止めの砥草林道に架かる薬師橋から沢に降り、巨大な岩塊に阻まれながら約1キロほど上流に歩いたが舟石沢との合流地点を発見できず断念した。下記のマップは編集部で彷徨った渓谷付近。 権現滝資料より.jpg
『川井村北上山地民俗資料誌』にある権現滝の写真

地図

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