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サケ

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鮭・シロザケ
<サケ目サケ科>
サケといえば、通常シロザケのことをいう。太平洋側では、普通は利根川以北の河川にそ上し、秋口から冬にかけて川で産卵する。ふ化した稚魚は春に海に泳ぎ出し、3~5年後に再び故郷の川に帰ってくる。海で生活するサケの側面は銀色をしており、産卵をひかえ成熟し川に近くなってくると、側面に赤黄、紫色などが混じった斑紋がでてくる。このため、海で獲れたサケを「ギンケ、ギンザケ」、川で獲れたサケを「ブナケ、ブナザケ」という。身は新巻きに、卵は腹子(イクラ)にして食べる。サケは「南部さけ」として県の魚にも指定されている。

  • 宮古での呼び方:秋さけ
  • 出現期間:1月~6月、8月~12月
  • 漁獲方法:流し網、定置網、はえ縄、垣網(川)。
  • 食べ方:イクラ、塩焼き、新巻、ルイベ、氷頭。


目次

サケの増殖事業

増殖事業の歴史

閉伊川には、慶長17年(1612)に南部藩主利直が鮭の上納を命じた文書がある。また、津軽石川にも安永6年(1777)に編集された、古伝から書き始め正徳2年(1712)まで編年的に整理し記述した「日記書留帳」がある。当時、閉伊川では宮古・黒田・鍬ヶ崎・磯鶏の宮古四ヶ浦が、津軽石川では津軽石・赤前・金浜・高浜の浦廻り四ヶ浦が鮭留漁業を行っていた。寛延元年(1748)に漁獲の少ない宮古四ヶ浦は沖合への鮭建網の敷設を藩に申請し、これに対し浦廻り四ヶ浦は、鮭を沖合で採ると鮭は川で産卵する魚であり将来その数が減ると反対した。ここに「種川」、すなわち育てる漁業としての鮭の自然ふ化の考えを見ることができる。浦廻り四ヶ浦は、鮭建網敷設の御礼金に相当する額を上納するので、申請を認可しないように訴えており、今でいう母川権を主張している。反対の口上書の中に、浦廻り四ヶ浦では漁業規制(禁漁時間の定め)をしたり、鮭の稚魚を小川の堰に導入し保護しているなど、鮭の自然産卵を助長していることをあげ、沖合の鮭にも権利を主張する根拠にしている。種川による鮭の増殖が日本で最初に行われたのは、越後の村上藩(新潟県村上市)の三面川であると言われている。寛延3年(1750)頃に、青砥武平次という下級武士が藩命を受け、三面川に新たに支流を作り、そこを産卵専用にあてたのが始まりと言われている。しかし、津軽石川ではすでに漁業規制や稚魚の保護を行っており、また口上書の中に、鮭はあちらの岸に寄りこちらの淀みに入って卵を十分に太らせてから川に上ってくるもので、その通り筋に建網があっては後々鮭が不足すると反対している。さらに、享保11年(1726)に田老川上流に鉄山の開発願が出たときも、宮古四ヶ浦と浦廻り四ヶ浦の瀬主が相談し、鉄山の悪水が鮭や鰯の漁業に差し支えると反対している。したがって、当時すでに鮭の習性である、岸沿いに泳ぎながら母川の水の匂いを確認しつつ回遊する習性を知っていたと言えるわけで、このことから種川の発祥地は津軽石であるとの説もある。 【参考資料】南部鼻曲り鮭:岩本由輝 著(昭和54年11月)

増殖事業の概要

明治38年(1905)7月、津軽石村の佐々木清助が赤前字御蔵に民営の人工ふ化場を開設したのが、宮古の鮭の増殖事業の始めといえる。現在は、市内の5河川(閉伊川・津軽石川・重茂川・田老川・摂待川)で、親魚の採捕、採卵、ふ化放流などの鮭の増殖事業が行われていて、それぞれ事前に連絡すれば無料で見学ができる。鮭の増殖事業は、つくり育てる漁業の最たるもので、平成16年度(2004)には8,700万尾の稚魚を放流し、秋さけ資源の確保に努めている。

  • 宮古漁業協同組合津軽石ふ化場(津軽石川)
場所:宮古市津軽石8-108
施設:ふ化能力・1億2,000万粒
問合せ:津軽石ふ化場 0193-67-2803
  • 宮古漁業協同組合松山ふ化場(閉伊川)
場所:宮古市松山4-5-17
施設:ふ化能力・1,292万粒
問合せ:松山ふ化場 0193-63-1609
  • 重茂漁業協同組合ふ化場(重茂川)
場所:宮古市重茂7-1
施設:ふ化能力・2,100万粒
問合せ:重茂川ふ化場 0193-68-2505
  • 田老町漁業協同組合田老ふ化場(田老川)
場所:宮古市田老字小林65、宮古市田老字八幡水神38-3、宮古市田老字古田154
施設:ふ化能力・3,960万粒
問合せ:田老町漁業協同組合 0193-87-2171
  • 田老町漁業協同組合摂待ふ化場(摂待川)
場所:宮古市田老字片巻72-1、宮古市田老字星山172
施設:ふ化能力・2,460万粒
問合せ:田老町漁業協同組合 0193-87-2171
【参考資料】宮古市水産課の資料

さけ稚魚壮行会

さけ稚魚壮行会は、市の魚である「さけ」に対する知識の高揚、情操教育の推進などを目的に、昭和57年(1982)に始まった。毎年、4月中旬に津軽石川と閉伊川で、小学2年生を中心に園児・児童・生徒が、さけの稚魚50万尾を川に放流する。一般の方も自由に参加し、稚魚放流ができる。

問合せ:宮古市観光課 0193-62-2111

鮭の加工品

一般的な鮭の加工品には、新巻き、腹子(イクラ)などがあるが、ユニークな加工品として次のものがある。
  • さけの中骨水煮(缶詰)
原料は鮭の中骨と食塩だけで、カルシウムとその吸収に必要なビタミンDなどを豊富に含み、幅広い料理に使える宮古のヒット商品。
  • さけの中骨こっ粉(缶詰)
原料は鮭の中骨だけで、それを粉にしたものだが、カルシウムとその吸収に必要なビタミンDなどを豊富に含み、味噌汁や各種料理に使用することで、簡単にカルシウムが補える商品。
  • さけ革細工
鮭革の紋様を活かし、見事な革細工に仕上げた商品で、名刺入、小銭入、印鑑入、キーホルダーなどがある。

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