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真崎海岸正清伝説

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絶景と悲恋の岬に伝わる黄金伝説

紺碧の海に大小の奇岩と入り江が織り成す田老[真崎海岸]…。この美しい海岸を舞台にした悲恋と財宝の伝説がある。伝説の時代設定は定かでないが、真崎海岸の真崎半島に正清(まさきよ)という武将が舘を構えていたという。正清には「おつる」と「おたま」の二人の娘がおり断崖と入り江に囲まれた真崎の地で平和に暮らしていた。正清は身の丈六尺余の猛者で力が強く戦略にたけ多くの敵と戦っても常勝する「真崎の主」でもあったという。正清の居城は岩窟で、入口には敵が侵入すると鳴り出す鼓岩がありこれによって敵の侵入を事前に知ることができたのが常勝の要因でもあった。
時が流れ、二人の娘のうち姉の「おつる」が年頃になり敵方の青年と恋に落ちた。敵の青年は夜ごと「おつる」に会いに行くが敵の侵入を察知して鳴るという鼓岩があるため「おつる」の元へはたどり着けない。ある日「おつる」は愛しい人会いたさから父が留守の時に鼓岩を壊してしまった。鼓岩を壊したことを聞いた敵の青年はなんなく「おつる」と逢い二人は燃えるような恋に落ちた。そんなことを知らない正清は年頃になる二人の娘のために今まで貯めた宝を持って翌春には里に降りるつもりでいた。しかし、その年の暮れ敵は真崎へ攻め込み、正清もろとも二人の娘も惨殺されてしまったという。
晩年、里人たちは正清が娘のために蓄えた宝の場所を示すとして『朝日とろとろ、夕日輝く曽根の松、うるしまんぱい、黄金おくおく』と謎めいた呪文を残し現在に至る。この伝承は全国に散らばる朝日長者伝説に似ており、正清の財宝とは日々の辛い暮らしの中で里人が考え出した理想郷、桃源郷そのものであり、山里に多い隠れ里伝説にも通じる。しかし、実際の真崎半島は北東に突き出した半島で先端部はU字型に二つの岬があり、周辺は大小の島や岩が散らばる岩礁で50メートルほどの断崖になっており、陸上からの人の侵入を阻んでいる。そのため誰一人とその伝承の経緯を調べた者はない。

関連事項

地図

https://goo.gl/maps/wDLPT

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