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岩船山龍王不動滝(岩船)

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2014年10月24日 (金) 09:04時点における最新版

目次

[編集] 岩船と蟇目を結ぶ牛方が信仰した隠し滝

 岩船龍王不動滝は岩船地区を流れる近内川の源流部にある。滝は段々の窪みにぶつかりながら落ちる15メートルほどの滝だ。滝の横には斜めにせり出した窪みがあり、不動明王の石碑や神仏を模したような石が奉納されている。また、石碑には瑠璃光薬師如来とも刻まれており、この滝周辺の湧き水に薬効があることを示唆している。実際、石碑のある岩塊から少し離れた所にヒューム管の樋と御幣を飾った形跡がありこの湧き水に薬効があるものと思われるが、水量は極めて少ないようだ。滝周辺は灌木が茂っているが滝を中心に全体が信仰媒体となっており、明王を模したコンクリート製のモニュメントや祭の際に関係者が集う長床が整備されている。

[編集] 滝と不動明王信仰

[編集] 滝は土着三神の水の神を象徴する

 仏教や神道を基礎としながらもそのルールに関わらず、人々の暮らしに関する畏れや敬いを最優先したのが私たちの信仰心の底辺にある民間信仰だ。その基本は土着三神とされる水の神、火の神、土の神だ。水の神は最も身近なものが井戸神、同様に火の神で身近なものは竈神、土の神が屋敷神になる。これらは水の神が川や沢の水神、田の神、山神へ、水源地の滝の不動明王へ、そして雨を降らせる竜神や八大龍王へと信仰のリングでつながれる。ちなみに竈神は火を司り台所周辺を守る三宝荒神へ、屋敷神は家を守る先祖霊と農神へとつながる。

 これら三神は縄文時代にはすでに人々の信仰対象であり、火の神=太陽、水の神=月・太陰、土の神=地球とも考えられる。ともあれ日々生活を営む私たちにとって、火・水・土の土着三神を神格化することは自然の流れでもある。

 奥深い山の水源地でもある沢の源流部に流れ落ちる滝に対し、圧倒的な水圧に不動明王の怒りを、年中枯れることのない水脈に龍王を当てはめ信仰対象とする思想は私たちにとってごく自然な成り行きだったと思われる。また、山を仏の世界に見立て修行霊場とする山岳修験道では滝に祀られる不動明王を修行者を守る仏として重要視する。これは不動明王が宇宙そのものを神格化した大日如来の化身であると考えられているためだ。水は滝を流れ、河川となり海へ注ぎ蒸発し雨となって大地を濡らし、再び滝となって海へ流れる。人々は水の恩恵を受け水を敬い畏れることで生きてきた。その対象となっているのが憤怒相の不動明王なのである。

[編集] 薬師如来と霊水信仰

 岩船龍王不動の滝の祠には、年代不明ではあるが40センチほどの石碑があり、中心に岩舟山龍王不動明王、右に瑠璃光薬師如来、左に帝国萬歳、当村牛馬安全とある。不動明王は水の循環を象徴する龍神と融合して水源地の象徴として祀られたものだろう。また修験や山岳信仰の修行では水の浄化力で穢れや禍を祓い落とす水垢離(みずごり)として滝を神聖化する。水垢離は滝の他に海水でも同様に行われることから山田町の祭りで神輿を担いだまま社人が海に入ったり、宮古を含め沿岸部の祭で神輿を船に乗せ海上渡御させる行為も穢れを落とす水垢離と考えられる。

 石碑に刻まれるもうひとつの仏尊である薬師瑠璃光如来は薬師如来のことで民間信仰では病気治癒の御利益がある仏として信仰される。あらゆる病気治癒に功徳があるとされる薬師如来だが古来より眼病によいとされてきた。眼病には薬効がある薬師水がよいとされ深山幽玄の地に湧き出す鉱泉で目を洗ったところ失った視力が回復したという逸話で語られる。宮古では米山地区の米山神社奥宮の脇に湧くという薬師水が有名だ。岩船龍王不動では滝と石碑のある窟から約5メートルほど下がったガレ地に樋がありそこから水が湧いておりここに御幣を飾った跡があることから、この水が薬師水なのであろう。 すべての人の願いでもある病気を治すという現世利益に特化した薬師如来は鉱泉が湧き出す場所に祀られることが多く湯治場などでよく見かける。明治の廃仏毀釈で仏尊が御神体だった神社は一旦信仰形態が崩壊したが、市内小山田の薬師神社も目の神様として信仰を集めた経緯がある。



岩船龍王不動滝.jpg

[編集] 地図

https://goo.gl/maps/T5yMD

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