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ひゅうず

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手軽さナンバーワン・家庭の味

練った小麦粉を丸く伸ばしたのち半分に折りその中心に黒砂糖や胡桃味噌を入れて塞いだのち熱湯で火を通して食べるちょっと昔の家庭料理。職人が味を吟味して卓越した技術で作るというより、家庭で主婦が作る簡単なこびりだ。生地に使う粉や厚さを吟味するとよりおいしく出来上がる。宮古地方で言うひゅうずは「火打ち」がナマったと考えられるが、同型のお菓子を遠野では「かまやき」という。こちらはオコゲや飯粒が残ったご飯釜に小麦粉を入れて練り、生地に残ったごはんもきれいに取り込むというもの。具の内容はひゅうずとほとんど変わらない。したがって小麦粉を炊きあげるこのテのお菓子は全国にあり様々な名前で呼ばれていると思われる。江戸末期から明治にかけてポルトガルから伝わったフィロースという食べ物を「飛竜子(ひりゅうず)」と呼び、これが変化してひゅうずになったという説も語られるが、ひゅうずに似た食べ物が別々の名で全国的にあることから、飛竜子変化説には無理がある。また飛竜子は油で揚げることから宮古で作られるひゅうずとは根本的に違う。また、東北は小麦粉よりそば粉文化であり、小麦粉を練ってつくるひゅうずの発生は意外と遅く明治末から昭和初期である可能性もある。

ひゅうずの名はどこからきたのか

練った小麦粉で黒砂糖や砂糖味噌で作った具を包み熱湯で炊き揚げるお菓子ひゅうずは菓子職人が作る一品というより、主婦がオヤツとして作る簡単なお菓子だ。現在は市内の菓子店や餅店でも作り販売されてはいるがその素朴かつ繊細な味は各家庭それぞれの工夫を凝らした家庭料理であろう。ひゅうずの名は方言であり、諸説あるが色や形がマッチが普及する以前使われていた火打ち石に似ていることから火うちが「ひうづ」とナマり、後にひゅうずと転化したものと考えられる。また宮古のひゅうずは片方を閉じる餃子のような半月型が主流だが、新里地区には丸型で全体の端を塞ぎ上部へ折り返し形を整えた円形の花ひゅうずという特殊な形のものもある。

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